余談ですが・・・その7

イナゴ                             H19/11/15      

今日Hさんのところでイナゴを見つけた。イナゴって何十年ぶりに見るだろう?

私が小学校低学年の頃だから、終戦直後。
イナゴは食糧不足の当時貴重な蛋白源だったようで、家族でよく捕りに行った。
日本手ぬぐいを二つに折り、両端を縫って袋を作り、竹筒を袋の口に差し込んでひもでくくり
そこへ捕ったイナゴを入れていく。そうすれば、竹筒の口を押さえているだけでイナゴは逃げられない。
その頃兄はちょうど算数でグラフを習っていたのか、帰ってくると、みんなの収穫の目方を量り、
(当時は○○匁)つけていた棒グラフの表が台所に張ってあったのを覚えている。

袋の中で、もぞもぞとうごめいているイナゴは袋のまま大釜に煮えたぎったお湯の中へ放り込む。
一瞬にして釜ゆでにされたイナゴをむしろに広げて自然乾燥させる。
カラカラに乾いたイナゴを梅干をつけた時の赤紫蘇を乾燥させたものとか、
(他にも何かを入れていたか私は知らないが)と混ぜて
当時我が家にあった手回しのミンチ器にかけて粉にする。
それをふりかけにしてご飯にかけて食べていた。
それがとっても美味しくて、時代が落ち着いてから一度試したけれど、
やっぱり何もなかったその時代だから美味しく感じたのだろう。
皆あまり美味しいとは感じなかったようだ。

イナゴはその他にも(私は一回だけの経験だけれど)
焼いてお醤油をかけてたべたこともあったけど、
ふりかけが皆一番皆好きだったようでその食べ方が殆どだった。


ついでながらその頃の食べ物で思い出すのは団子汁。
これはサツマイモを入れるので甘くて、
団子もメリケン粉を練ったものを味噌汁の中へ落としていくのでやわらかく、
今でも作ってみると美味しい。
時々食べたくなる懐かしい味である。     H19/11/15記

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